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キャバクラを居抜きで売却する方法|造作譲渡と営業権の違い

キャバクラを居抜きで売却する方法|造作譲渡と営業権の違い

キャバクラ 居抜き 譲渡の基礎を徹底解説。造作のみ・営業権付き・法人ごとの3パターンの価格差、1号許可の扱い、大家の承諾やキャスト引継ぎ、売却のベストタイミングまで、店を高く売るための実務ポイントがわかります。

執筆:クマ社長(風俗M&A.com編集部)

目次
  1. 「居抜き売却」と「M&A(営業譲渡)」は何が違うのか
  2. 3つの売却パターン比較:引き継げるものと価格帯
  3. 風俗営業1号許可の扱い――事業譲渡では引き継げない
  4. スケルトン返しの原状回復費を「売却益」に変える
  5. 賃貸借契約と大家の承諾――居抜き売却の最大の関門
  6. キャストと顧客の引継ぎ設計が価格を決める
  7. 売却タイミングは「営業中」がもっとも高い
  8. よくある質問
  9. まとめ

キャバクラの経営をやめるとき、多くのオーナーは「内装を壊して返すか、居抜きで売るか」の二択で考えがちです。しかし実際の選択肢はもっと幅広く、「何を、どこまで売るか」によって手取り額は数十万円から数千万円まで大きく変わります。

同じ「店を譲る」でも、内装・設備だけを売る造作譲渡と、屋号・キャスト・顧客ごと売る営業譲渡(M&A)、さらに法人ごと売る株式譲渡とでは、買い手が引き継げるものも価格の付き方もまったく異なります。

本記事では、キャバクラを居抜きで売却する際の3つのパターンの違いと価格差、風俗営業1号許可の取り扱い、大家の承諾やキャスト引継ぎといった実務上のポイントを、売り手目線で解説します。

この記事の要点

  • キャバクラの売却は①造作のみ②営業権付き③法人ごとの3パターンで、価格は数十万円〜数千万円まで変わる
  • 風俗営業1号許可は事業譲渡では引き継げない(株式譲渡なら法人に許可が残る)
  • 居抜きが成立すれば原状回復費(100万円前後の例も)が不要になり、造作の対価も受け取れる
  • 賃借権の引き継ぎには大家の承諾が必須。無断譲渡は契約解除のリスク
  • 最も高く売れるのは「営業中」。閉店後は営業権の価値がほぼゼロに
タヌキ店長
タヌキ店長

そろそろ店を閉めようと思って、居抜き業者に見積もりを頼もうかと…。

クマ社長
クマ社長

ちょっと待った。造作だけ売るのと、営業ごと売るのとでは手取りが一桁変わることがあるんだ。まず「何を、どこまで売るか」を決めるのが先だよ。

「居抜き売却」と「M&A(営業譲渡)」は何が違うのか

居抜き(造作譲渡)は内装・設備というモノを売る取引であるのに対し、M&A(営業譲渡)は屋号・キャスト・顧客まで含めた「稼ぐ仕組み」ごと売る取引です。

まず用語を整理します。

  • 居抜き(造作譲渡):内装・厨房設備・音響・ソファなどの「造作」を、店舗の賃借権とセットで次の借主に売ること。売買の対象はあくまでモノであり、営業そのものではありません。
  • 営業譲渡(事業譲渡):造作に加えて、屋号・キャスト・顧客リスト・ノウハウなど「営業として稼ぐ仕組み」ごと売ること。継続中の売上に対して営業権(のれん)の対価が上乗せされます。
  • 株式譲渡:営業主体の法人ごと売ること。契約関係も許可も法人に紐づいたまま移転できる、もっとも包括的な売り方です。

「居抜きで売る」と言ったとき、造作だけの安い取引をイメージする買取業者もいれば、営業ごとの承継を想定する買い手もいます。どこまで売るのかを最初に定義することが、価格交渉の出発点です。

3つの売却パターン比較:引き継げるものと価格帯

価格帯の目安は、造作のみなら数十万〜数百万円、営業権付きなら数百万〜数千万円と、どこまで売るかで一桁変わり得ます。

項目①造作のみ(居抜き)②造作+営業権(営業譲渡)③法人ごと(株式譲渡)
内装・設備
賃借権(店舗の場所)○(大家の承諾が前提)○(同左)○(法人契約ならそのまま)
屋号・ブランド×
キャスト・スタッフ×△(個別に再契約)○(雇用関係が法人に残る)
顧客・会員データ×
風俗営業1号許可×(買い手が新規取得)×(買い手が新規取得)○(法人に許可が残る)
価格帯の目安数十万〜数百万円数百万〜数千万円(利益水準による)営業権に純資産・負債を加味して調整

※価格はあくまで一般的な目安です。立地・坪数・収益力・設備の状態によって大きく変動します。

注目してほしいのは、造作のみと営業権付きとで価格が一桁変わり得ることです。造作だけの取引は「中古内装の処分」に近く、買い手の付け値は解体費との比較で決まります。一方、月次で利益が出ている店を営業ごと譲る場合、営業権として月間利益の数か月〜2年分程度が上乗せされるのが一般的な相場観です。廃業して造作だけ売るのと、営業中のまま売るのとでは、手取りがまるで違います。この比較は廃業と売却の比較記事でも詳しく扱っています。

風俗営業1号許可の扱い――事業譲渡では引き継げない

結論から言えば、キャバクラの1号許可は居抜き・営業譲渡では買い手に引き継げず、法人ごと譲る株式譲渡でのみ実質的に承継できます。

キャバクラは風営法上の風俗営業(1号・社交飲食店)に該当し、公安委員会の許可が必要です。ここで重要なのは、2016年施行の改正風営法で導入された承継承認制度は、相続・法人の合併・分割のみが対象で、事業譲渡(居抜き・営業譲渡)は対象外という点です。

つまり、①造作のみ・②営業権付きのいずれの売り方でも、買い手はあなたの許可を引き継げず、自分で新規に1号許可を取得する必要があります。申請から許可までは標準でおおむね55日程度かかり、その間買い手は風俗営業を行えません。

これを回避できるのが③の株式譲渡です。許可は法人に与えられているため、株主が交代しても法人格が同一なら許可はそのまま存続します(役員変更等の届出は必要です)。営業を1日も止めずに引き継げることは買い手にとって大きな価値であり、株式譲渡が可能な売り案件は価格交渉でも有利になります。許可と承継制度の全体像は風俗営業許可の譲渡・承継の解説記事をご覧ください。

タヌキ店長
タヌキ店長

え、うちの営業許可って買い手にそのまま渡せないんですか?

クマ社長
クマ社長

事業譲渡では渡せないんだ。買い手が新規に取り直すと55日程度かかる。でも法人ごと株式譲渡すれば許可は法人に残ったままだから、営業を止めずに引き継げる。だから株式譲渡できる案件は交渉でも有利なんだよ。

スケルトン返しの原状回復費を「売却益」に変える

居抜き売却が成立すれば、100万円前後かかることもある原状回復費が不要になるうえ、造作の対価まで受け取れます。

キャバクラの内装は坪単価数十万円をかけた豪華なものが多く、廃業時にスケルトン返し(内装を全撤去して返却)を求められると、撤去費だけで坪あたり3〜5万円程度、30坪の店なら100万円前後の持ち出しになることも珍しくありません。

居抜き売却が成立すれば、この原状回復費の支払いが不要になるうえ、造作の対価を受け取れます。つまり「マイナス100万円」が「プラス数百万円」に変わる可能性があるということです。ソファ・照明・カラオケ・ダクトなどキャバクラ仕様の設備は、同業態の出店希望者にとってそのまま使える資産であり、解体してしまえばゼロ円になる価値を現金化できるのが居抜きの本質的なメリットです。

賃貸借契約と大家の承諾――居抜き売却の最大の関門

居抜き・営業譲渡では、店舗の賃借権を買い手に引き継ぐことについて賃貸人(大家)の承諾が必要です。賃借権の無断譲渡は民法上の解除事由になるため、大家に無断で話を進めるのは厳禁です。

実務上のチェックポイントは次のとおりです。

  • 契約書の譲渡・転貸条項:「賃借権の譲渡には貸主の書面による承諾を要する」等の定めが通常あります。まず自分の契約書を確認しましょう。
  • 業種制限:契約や重要事項説明で「風俗営業不可」とされていないか。現在キャバクラで借りられていても、次の借主に同条件が認められるとは限りません。
  • 承諾料・保証金の扱い:大家から譲渡承諾料(家賃の1〜3か月分程度が目安)を求められることがあります。保証金の返還・承継の設計も含めて交渉が必要です。
  • 契約形態の切替リスク:譲渡を機に定期借家契約への切替や賃料増額を提示されるケースもあります。

株式譲渡であれば賃借人(法人)が変わらないため原則として承諾は不要ですが、契約書にチェンジオブコントロール条項(経営権の変動時に通知・承諾を要する条項)がないかは確認しておくべきです。

キャストと顧客の引継ぎ設計が価格を決める

キャバクラの収益源は、突き詰めればキャストと顧客です。買い手が営業権にお金を払うのは「今のキャストと客が残る」と信じられる場合だけであり、引継ぎ設計の巧拙が売却価格に直結します。

  • キーキャストの意向確認:売上上位のキャストが売却を機に離脱すれば、営業権の価値は大きく毀損します。クロージング前の適切なタイミングで、信頼できるキャストから順に意向を確認しましょう。
  • 情報開示のタイミング:早すぎる開示はキャストの動揺や引き抜きを招きます。基本合意までは経営幹部レベルに留めるのが定石です。秘密保持の実務はNDAの解説記事を参照してください。
  • 顧客データの承継:会員名簿・来店履歴・ボトルキープ情報などは営業権の中核です。個人情報の取り扱いルールを守った引継ぎ方法を契約で定めます。
  • 売り手のロックアップ:引継ぎ期間中(1〜3か月程度)は前オーナーが顧客紹介やキャストのフォローを行う、といった条項を入れると買い手の安心材料になります。

売却タイミングは「営業中」がもっとも高い

売却価格が最も高くなるのは、売上・キャスト・顧客が動いている「営業中」のタイミングです。

もっとも避けたいのは、「閉店してから売り先を探す」パターンです。閉店した瞬間にキャストは散り、顧客は他店に流れ、営業権の価値はほぼゼロになります。残るのは造作の処分価値だけで、時間が経つほど設備は劣化し、家賃だけが出ていきます。

売却を少しでも視野に入れているなら、売上が立っている営業中のうちに動くのが鉄則です。実際の売却プロセス(査定→買い手探し→交渉→契約)には通常2〜6か月程度かかるため、「あと半年で限界」と感じた時点が動き出しのラストチャンスと考えてください。当サイトではキャバクラ専門の売却相談を匿名ベースで受け付けており、仲介手数料の体系は料金ページで公開しています。

よくある質問

赤字のキャバクラでも売れますか?

売れる可能性は十分あります。赤字でも、好立地の賃借権と内装・設備には造作譲渡としての価値がありますし、買い手のオペレーション次第で黒字化できると判断されれば営業権が付くこともあります。少なくとも、スケルトン返しの原状回復費を払って閉めるよりは手残りが良くなるケースが大半です。

居抜き売却にかかる期間はどのくらいですか?

造作のみの居抜きであれば、買い手が見つかれば1〜2か月程度で引き渡しまで進むこともあります。営業譲渡や株式譲渡の場合は、買い手の資金調達や許可申請(事業譲渡の場合)、デューデリジェンスを含めて2〜6か月程度を見込むのが現実的です。買い手の新規許可取得を待つ場合は、その標準処理期間(おおむね55日程度)も逆算してスケジュールを組みます。

大家に売却の相談をするタイミングはいつが良いですか?

買い手の候補が具体化し、基本条件が固まった段階が一般的です。早すぎると「退去するなら次は自分で借主を探す」と言われて主導権を失うおそれがあり、遅すぎると承諾が得られず破談になります。仲介会社を入れている場合は、大家との交渉の進め方も含めて戦略を立ててもらいましょう。

タヌキ店長
タヌキ店長

キャストたちに悪い気がして、閉店を決めてから動こうかと思ってました…。

クマ社長
クマ社長

順番が逆だ。閉店した瞬間にキャストは散って、営業権の価値はほぼゼロになる。雇用ごと引き継げる買い手を営業中に見つけるほうが、キャストのためにもなるんだよ。

まとめ

キャバクラの売却は、①造作のみの居抜き、②営業権付きの営業譲渡、③法人ごとの株式譲渡の3パターンがあり、どこまで売るかで価格は大きく変わります。風俗営業1号許可は事業譲渡では引き継げないため、買い手の新規許可取得を前提にするか、株式譲渡で法人ごと引き継ぐかがスキーム選択の分かれ目です。

原状回復費を回避しつつ営業権まで現金化するには、営業中の元気なうちに動き出すことが何より重要です。大家の承諾、キャスト・顧客の引継ぎ、秘密保持といった実務の勘所を押さえ、専門の仲介会社と二人三脚で進めましょう。まずは売却の無料相談からお気軽にどうぞ。

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